パニック障害を薬で治療する時に覚えておかなければならないこと

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パニック障害に効く2種類の薬

 

パニック障害については【パニック障害】で説明しました。

今回はパニック障害の薬物療法について説明します。

パニック障害の薬物療法は主に2種類の薬で行います。

一つは抗うつ薬、もう一つは抗不安薬です。

 

 

 

 パニック障害への抗うつ薬

 

うつの薬を何で使うのと思うかもしれません。

また、精神科に行かれたことのある方は薬を調べられた時

私はうつじゃ無いのにうつの薬が入っている、と思われた方もいるかもしれません。

しかし、それは精神科医が適当に出している訳ではありません。

脳の伝達物質の種類は実はそれほど多くはありません。

不安、うつ、このどちらにもセロトニンが関係していると考えられます。

人間は高度に分化した感情をもっています。

しかし、進化の過程で作られた脳内の物質の種類は限られています。

その限られた中で、さまざまな感情を表しているので、実際に使われる脳内の伝達物質は同じものが多いです。

ここから考えるとうつつ不安などが合併しやすい理由も解ります。

従って、うつのときも不安の時も同じセロトニンに作用する薬が効果があるということになります。

 

薬としての抗うつ薬の特徴はゆっくりと効く薬ということです。

次に説明する抗不安薬とちがって、飲んですぐ効果が出る訳ではありません。

1ヶ月2ヶ月と長期的にみて徐々に症状を改善させます。

すぐ効かなくて長く飲む薬は嫌われがちです。

抗うつ薬は長く飲むことで徐々にパニックを抑える薬です。

 

副作用ももちろんあります。

多いのは消化器の症状です。

これも時間が経てば、治ってくることが多いんですが

薬の効果が出てないうちに副作用だけ出るのでこれもまた嫌われる要素になります。

しかし、抗不安薬と違って一時しのぎではなく、長期的に治療できる薬です。

 

パニック障害への抗不安薬

 

一方、抗不安薬はすぐに効く薬です。

ベンゾジアゼピンという薬の仲間を使うことが多いです。

不安になった時に飲めば症状は改善します。

抗不安薬の使い方としては、抗うつ薬とは違って、継続してのむことは少なく

不安が強すぎる時に落ち着く手助けのために最小限使う薬です。

すぐ効いて、いつも飲まなくてもよい薬は好かれます。

効きすぎて、あれが無いともう不安で寝れなくてしょうがなくなる人もいます。

 

当然副作用はあります。

一般的なふらつきや眠気があります。

それに加えて出てくるのが

①耐性と②離脱です。

耐性とは同じ量では薬が効かなくなることで

離脱とは薬をやめると症状が強くなってしまうことです。

これらの副作用が問題です。

使い始めてすぐ出る副作用ではありません。

さらに耐性は薬を増やさなくてはと思いたくなる症状で

離脱は薬をやめてはいけないと勘違いしてしまう症状です。

その結果、皮肉にも、続けてほしくない抗不安薬を欠かさずのみ、

続けたくない抗うつ薬を飲まなくなってしまうという現象が起こります。

 

パニック障害の薬での治療の流れ

 

この二つの薬をどのように使っていくかと言うことです。

役割分担としては

最初に抗うつ薬を飲み始めて、薬が効くのを待ち、

それまでの一番辛い1ヶ月間ほどを抗不安薬を、辛い時に限って使うようにします。

抗うつ薬が効き始めた数ヶ月後ぐらいから

少しずつ頑張って抗不安薬を減らしていくという流れになります。

それからずいぶんたってから、抗うつ薬も減らすという計画になります。

 

認知行動療法のことをわすれていました。

もちろん認知行動療法はすばらしい治療法です。

薬を使わないので副作用もありません。

効果は薬を使ったときと同等にあります。

抗うつ薬はやめたら効果が無くなりますが認知行動療法はやり方を覚えている限り効果があります。

しかし、出来るところが限られているのが難点です。

このサイトでは体系的に認知行動療法を学ぶということは出来ませんが、

役立つところから、取り入れていただけると幸いです。

 

最後に話が変わりましたが、今回は認知行動療法ではなく、薬物療法の治療でした。

 

 

 

 

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6 Responses to “パニック障害を薬で治療する時に覚えておかなければならないこと”

  1. つぼみ より:

    もしかして「離脱~症状強くなる」とは
    一時的にということでしょうか。
    しばらく耐えたら大丈夫かなと思って
    減薬してます。
    なんどもすみません。

    • thinkDr より:

      よろしくお願いいたします。いろいろ工夫されているんですね。薬をやめると離脱症状はでます。しかし、離脱症状があってもすぐに薬を飲まない事を少しずつやって行くと、症状が改善するのではなく、だんだん症状があっても飲まずに過ごせるようになっていきます。薬を減らすときは主治医と相談して少量ずつ減らしてください。これからもお役立てればうれしいです。

      • つぼみお返事ありがとうございます! 症状がでても飲まずに過ごせるようになる、なるほどです!! 実は減薬について、主治医の先生には「適当で大丈夫」と言われ(その程度が素人には分 より:

        お返事ありがとうございます!
        症状がでても飲まずに過ごせるようになる、なるほどです!!
        実は減薬について、主治医の先生には「適当で大丈夫」と言われ(その程度が素人には分からない)、薬剤師には「無理して不安になるなら飲んでください」と言われ、製薬会社のサイトの能書きには「良くなったと思ってもしばらく飲め」とあり、はてな?でした。
        様々な意見に不安になるうちはまだよくなってないのに、抗不安薬止めたい気持ちが強くなってしまって。
        でも止めて悪化するの嫌ですし、と頭ぐるぐるです(笑)
        不安を回避しないことなんでしょうかね。
        抗うつ剤もやめるときもセオリー通じゃなかったですし、主治医の管理の元、抗不安薬も自分で試行錯誤してみようと思います。

      • つぼみ より:

        コメが上手く投稿できず、ごめんなさい。
        症状を予防するために飲んでます(笑)
        不安を回避しないよう、試行錯誤で
        少しづつ減らしたいと思います。
        お返事ありがとうございます!

        • thinkDr より:

          今すぐにでなく、長い眼で見て良い方向に進めるよう、少しずつ行動してみてください。

  2. つぼみ より:

    はじめまして。
    昨年5月にウツと診断され、現在治療中です。
    減薬についてお聞きしたいです。
    2月に死にそうになり頓服も効かず転院し、特になにもせずに過ごしているうちに抗うつ剤(三環系)をのみわすれることが多くなり、いつの間にか止めることができました。
    のこるは抗不安薬(ベンゾ~なんとか)だけです。
    はじめの病院で、減薬はまず抗うつ剤、次抗不安薬と言われたので、そう思い込んでいました。
    でもこの記事によると抗不安薬→抗うつ剤とあり、私は反対をやってしまったのかと不安になってきました。←大人しく抗不安薬飲(笑)
    でも、長期連用はよくないともあり、一刻も早く辞めたくなりました。
    そこで、離脱症状についてですが
    「薬を辞めてはいけないと勘違いしてしまう症状」というのは本当ですか?
    つまり、離脱とは以前より症状が強くなるというわけではなく、勘違いだから辞めても大丈夫という理解でよろしいでしょうか?
    主治医はセオリーどおりじゃなくてよいといわれました。
    私は抗うつ剤には抵抗があったのですが、抗不安薬は抵抗がなく、この記事を読んでまずいことしちゃったのかなと思ってます。離脱が辞めてはいけないと勘違いしてしまう症状なら、辞めても大丈夫な気がしますが、症状悪化なら辞めてはいけない気がして…。

    昨日から読む耽っています。
    新しい行動数えるのやってみようと
    素性のわからない方にぶしつけな質問をするとゆー初めての試みにドキドキです(笑)
    よろしくお願いします。

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