ソクラテスは認知行動療法をやっていた?

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ソクラテスは古代ギリシャの哲学者です。
本は書かず、対話で哲学を伝えた人物でした。
ソクラテス式問答とは真実を教えるのではなく、相手に気付いてもらうための対話法です。

ソクラテス

ソクラテスは無知の知を自覚し、悪妻を持って哲学者となり、誰でも破っていた法律であったのに、悪法もまた法なりと言って、自ら毒人参を飲んで死んだ哲学者です。
「無知の知」とは、神のお告げでソクラテスが一番賢いと言われた時、何故自分より知識のある人は多いのに自分が賢いと言われたのだろうと考えた結果、私が何も知らないことを知っているから賢いのだと悟ったとのことです。
認知行動療法は精神分析から発展しています。
精神分析は無意識を発見しており、自分の考えてること自体も自分ではわかっていないと考えました。
その意味では認知行動療法も無知の知が関係します。
思考をコントロールする前に、自分の考えも自分では解っていないと理解する「無知の知」が必要です。

ソクラテス式問答

ソクラテスについてはこれくらいにして置いて、本題のソクラテス式問答に入ります。
このソクラテスにあやかったのがソクラテス式問答です。
実際に答えを教えずに質問をして行きます。
これができるのは相手が答えを自分の中にあるが、気づいていない時です。
実際に知らなかったら、質問しても答えは返ってきません。
例として、悲しんでいる人がいるとします。
「何がそんなに悲しいんですか?」
「わからないです。」
「最近は何かありました?」
「父がなくなったんですけど、それは良いんです。父は精一杯病気と戦いましたから」
「それでも、父が亡くなったら悲しい人が多いと思いますがどうですか?」
「でも、父は頑張ってましたから。」
「自分の気持ちはどうですか?」
「・・・・・。」
「父とはどんな関係でした?」
「とても頼りにしていました。」
「それなら心細いですね?」
「そうかもしれません。私は父が亡くなって寂しかったんですね。」
これを直接「あなたは父が亡くなって寂しいんですね。」と聞くと、
「父は頑張って生きていましたからそんなこと考えてはいけないんです。」
と話すかもしれません。
事実であっても考えたくない時は直接言っても受け入れにくいのが当然です。
ソクラテス式問答は考えたくない時に直接指摘せず、気づいてもらう方法です。

確証バイアスと追認バイアス

心理学では「確証バイアス」というものがあります。
これは人は心理学の用語で人間は自分の信じたいものを信じ、信じたくないものを無視するということです。
多いのは「でも」という言葉「でも」という言葉を考えた時に生じています。
直接言われるとすぐこの反対意見が現れて、反対してまうと「追認バイアス」がかかり、一度決断した事に関してはそれを支持する情報を集めるようになります。
ソクラテス式質問はこれらのバイアスを避けて、なおかつ信じたくないものに目を向ける方法です。
しかし、これは誘導尋問と紙一重でもあります。
とはいっても、この人は父が亡くなって悲しいという気持ちに気づいた方が良いだろうに、と思う事もあります。
このような場合にはあまりしつこくならず、ソクラテス式に聞く事が良いでしょう。
上記の会話でも「・・・。」がありますが、ある程度色々な方向からアプローチする事は大切です。
しかし、3回ぐらい、大事な質問で沈黙が続く場合にはまだ受け入れる余地がないと判断した方が賢明です。
実際、やっと導き出した答えだった場合は、その後一人でいる時に「これは違う。」と反証される事が多く、そのとき、ついでにその質問をした自分もついでに反証されて、嫌われてしまう事もあります。
その場合は、本人がまだ受け入れる力がないのか、今この話を持ち出したのはまずかった、と判断します。
ソクラテス式問答は効果のあるやり方ですが、引き際に気をつける必要があると思います。

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