認知行動療法で実験をする。

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認知行動療法は科学的な方法です。
科学が科学であるために一番大切な事は理論的である事ではありません。
どんなに理論的であっても間違いがあれば正すことが科学であるために必要な事です。
認知行動療法の科学的なやり方についてです。

観察する

科学においてまず大切なものは観察です。
認知行動療法においても観察が必要になります。
観察で必要なのは客観的になる事ですがまずこれが第一の関門です。
主観的な自分の思考を客観的に見る事、これはメタ認知とも言いますが容易ではありません。
下向き矢印法などを利用してください。
大切なのは、この時は、自分が「科学者」であるという意識です。
いつものように考えさせられてしまうのではなく、自分はどう考えているのだろうと観察してください。

仮説をたてる

この観察結果をもとに自分の思考について考えます。
下向き矢印法を使って、
もし、積極的に自分の希望を言えば、周りに嫌われるに違いない。
と考えているとします。
普通であれば、この思考に影響されて、自分の希望を言わないようにします。
しかし、ここではこれは仮説です。
仮説であればそのまま信じる事は出来ません。
科学では帰無仮説と言いますが、仮説を間違いである可能性を証明するための形にします。
言葉で言うと難しいですが、今回の悩みは
積極的に自分の希望をいっても周りに嫌われないか確かめてみよう。
となります。
まだ、何もしていませんが、実は多くの人はこの自分に客観的になるだけで不安が下がっている事が多いです。
ですが、これでは不十分。実験を行いましょう。

実験をする

実験のためには実験の方法を決めなくてはなりません。
必要なのは客観的なデータを集める事。
先ほどの例で実験を行う場合、
飲食店で注文を変更するときに嫌われたかどうかを確かめる。
では良くないです。
嫌われたかどうかは主観的な判断であるため、データには適しません。
嫌われるとはどういう事か、ここでも客観的に考えてください。
例としては嫌な表情をする、などあげられるかもしれません。
こうして、実験課題は
飲食店で注文を変更した時に嫌な顔をされるか数える。
となりました。
ここで不安は増してきます。
実際にやるとなると、客観的になっただけの変化では、不安はぶり返します。
しかし、今回は実験です。
出来なくてもがっかりする必要はありません。
これは出来るようになる事が目的ではなく、あくまでもデータを集める実験ですから。
普通に注文を変更出来るようになる必要は全くありません。

検証をする

実験でデータが集まれば、検証を行います。
実験データは10回ぐらいは集めてください。
多ければ多いほど実験は成功です。
実は「馴化」という作用があり、実験を繰り返しているだけでも、何度も行った事で不安は下がっていると思います。
10回中何回ぐらい嫌な顔をされましたか。
私は注文を運ばれてきた時に変更した時の1回だけでした。
実験結果から新しい考えを作ります。
飲食店で注文を変更すると10回に9回は嫌な顔をされない。
これは自分の実験結果です。
人から10回に9回は嫌な顔をされないよ、と言われるよりも何倍も重みがあります。
不安は0にはなっていないと思います。
しかし、もし、積極的に自分の希望を言えば、周りに嫌われるに違いない。と考えていた時よりは不安は下がっていると思います。
ここでも十分効果はありますが、実験結果から新たな仮説を抜き出し、さらに実験を続ければどんどん楽になります。
例えば自分は人から嫌な顔をされたら必ず何か嫌な事をされる、と思っていると気がつけばさらに実験が進みます。
この実験を行えば、10回に1回嫌な顔をされたからといって自分が何か嫌な事をされる事はほとんどなかった事に気がつくかもしれません。


ここまで観察、仮説、実験、検証と見てきました。
検証まで行うと効果は大きいです。
しかし、説明してきたようにそれぞれの段階だけでも効果はあります。
科学的な視点を生かして思考のコントロールを行う方法を試してみてください。

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