決断できず抜け出せなかったり、迷ったりする時

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物事を決める事は簡単ではありません。
決める事が出来ずだらだら続けてしまったり、迷ってばかりになります。
今回は決断の方法について説明します。

意思決定が難しくなる理由

うつ病の症状の一つに決められなくなる症状があります。
この原因としては主に二つ考えられます。思考力の低下と否定的自動思考です。
思考力自体の低下
うつ病では集中力が低下するため、考え続ける事が出来なくなります。
気力がなくて選択肢についてあまり考える事ができず、決断が出来なくなります。
うつ病の時は気力が無くなり、行動を起こせなくなります。
実はこれは、これは本能としては適応的です。
悲しみは何か大切なものを失ってしまったという合図です。
その時はゆっくり休んで、無理な行動はしない方が良いです。
しかし、うつ病の時に辛いのは、辛い仕事から決断が出来ず抜け出せないときです。
決断が出来ない事でゆっくり休むことが出来れば良いのですが、辛ければ辛いほど、うつ病がひどくなり、ひどくなれば決断が出来ないために仕事を続けてしまいます。
多くのうつ病の方はひどくなるまでは仕事をやめられません。
(これは最近のいわゆる新型うつ病では違うみたいですが。)
ゆっくり休むための、決断力の低下が逆に負担になります。
意思決定の方法を使って、決断は早めにする事でこの悪循環に入ることを防ぎます。
否定的な自動思考に影響を受けている場合です。
この場合はむしろ考えているのに決まらないと言う状態です。
この状態はある程度回復してきた時に起こります。
仕事に戻らなければと、もう少し休まなければで迷っているとします。
この場合も「悲しみ」は適応的で、まだ休む方が良い事が多いです。
しかし、この時に問題となるのは「休む」と決断する事も出来ないという事です。
休むと考えると、否定的な自動思考が生じてきます。
休んだらもう仕事に戻れない、どんどん知識を忘れてしまう、と。
かといって仕事に戻るのは自信がない。
こうなると、休むのも仕事始めるのも否定されてしまい常に迷っている状態になります。
良くなり始めた時に余計不安が出た場合はこちらの葛藤に巻き込まれている事があります。

利益・不利益リスト

認知行動療法における意思決定のやり方は特別なものではありません。
やり方は常識的なものです。
それぞれの選択肢をあげ、利益、不利益を書き出す事です。
どうしてもすぐ思いつきそうなものは大きな効果は内容に見られがちです。
しかし、考えが当たり前である事と、効果がない事は何の関係もありません。
むしろ、当たり前の事の方が効果は大きい事があります。
先ほどの例でいくと、仕事をする事の利益と不利益、仕事をやめる事の利益と不利益、を書きます。
必ず紙に書き出してください。
頭の中で考えるのではあまり、いつも起きてしまっている否定的自動思考に振り回されている状態と同じになってしまいます。
イメージとしては、穴のあいた風船を思い浮かべてください。
紙に書き出さずに考えている時は穴のあいた風船を順番に指で閉じていっている状態です。
指の数より穴が多ければ、いつまでたっても穴は塞がりません。
紙に書き出す場合は一ずつテープで閉じている感じです。
どんどん出てくる否定的な自動思考をすべて紙に書き出してください。
その後、利益についてもそれぞれ書いてください。
こうすると今まで行ったり来たりしていたものが、両方の否定的思考を同時に眺められる事になります。
行ったり来たりはしにくくなります。
その後、両方を見比べて決断をします。
おそらく、行ったり来たりするよりは、楽に決断が出来ると思います。
そして決断をします。
自動思考で迷うたびに追加して、もう一度決断をしてください。
幸い、うつ病の時は想像力も落ちているのでいくつか書き出せば同じような自動思考だけになります。
これらを書き出しておく事で、迷いだしたら、この紙を見れば自動思考の先回りが出来ます。
一通り書き出せたら、他の人にも見てもらう方が良いでしょう。
他人のがいるところで決断した方がその後に決断が変わりにくいことが多いです。
その後は迷うたびに見てください。
徐々に自動思考の働きは弱まってきます。
うつ病の時に限らず有効な方法なので試してみてください。

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