暴露療法は中途半端だと悪化の原因になる理由。

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暴露療法(エクスポージャー)は字で読んだ通りの治療です。
しかし、思ったより簡単ではありません。
中途半端にやってしまうと逆効果の場合もあります。
暴露療法についての注意です。

暴露療法の勘違い

「暴露療法」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
聞いた感じでは要するに嫌なものを我慢すればいやでなくなる、と捉えていることが多いと思います。
確かに間違ってはいません。
しかし、この理解だけで、じゃあいやなものと向き合おうと思えば、おそらく失敗します。
暴露によって不安が改善するメカニズムは「馴化」です。
もう一つ重要なものが「危険の勘違い」です。
クモ恐怖などあまり接することのない嫌なものである場合は馴化が必要です。
「単一恐怖」では何度も嫌な対象に接することで改善することは多いです。
一方、「人と話すこと」が不安という場合は少し違います。
人と話す機会が多いのにもかかわらず不安が下がらない場合は一筋縄では行きません。
この場合は「回避」しているため「馴化」が起こらない可能性があります。
何度暴露を繰り返しても回避していては効果はなく、逆効果という場合もあります。

危険のアラーム

感情はアラームに例えられます。
体に危険が及んだ場合にそれを知らせる役割です。
このアラームの例を使って説明します。
このアラームの仕組みは、刺激があると鳴り、一定時間たつと止まります。
その刺激が危険じゃないと判断されれば次からその刺激でアラームは鳴らなくなります。
クモ恐怖の場合はアラームは正常です。
従ってクモを見ていると途中でアラームが止まります。
何度も見ることによってアラームが止まるようになれば刺激が危険じゃないと判断されます。
この時に大事なことはアラームが止まるまで待たないと危険と判断されたままになるということです。
「人に会うのが不安」というのは回数は重ねているものと思われるためアラームを途中で止めている可能性が高いです。
自然に止まる前に止めてしまうと、
「やっぱり危険だったんだ、アラームを鳴らして良かった。」となってしまいます。
こうなるとアラームは壊れて「敏感アラーム」になってしまいます。
これが暴露で逆効果が出る場合の仕組みです。

暴露療法のポイント

これらを踏まえると暴露療法が見えてきます。
暴露療法とは嫌なものに暴露することが目的なのではなく、感情のアラームに暴露することが目的ということになります。
暴露療法をやる時に必要な方法をまとめると
①アラームが鳴り止むまでやめない
②回避をせずになるべく大きな音で感情のアラームを鳴らすようにする
ということになります。
もちろん大変です。
今まで逃げてきたものに自分からさらさなければならず、結果逃げてしまえば悪化してしまいます。
最初が苦しければ苦しいほど後が楽になります。
暴露療法の注意点でした。

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