恥ずかしさを回避すると摂食障害になる?

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最初にセルフコントロールの実感の為に起こってしまった絶食や過食が
今度は情動のコントロールのために使われるようになって止められなくなってしまいます。
その間に入るものが「恥ずかしさ」という情動です。

摂食障害の原因因子はセルフコントロール。
完全主義や対人関係の失敗から「恥ずかしさ」が生じる。
それを回避してしまうために情動のコントロールとして過食や絶食が使われる。

摂食障害の2つの原因

今回は情動の調節と関係して摂食障害について説明します。
維持因子と原因因子という二つの因子があります。
原因因子とはその病気がおこる原因についてです。
維持因子とはその病気から良くなれない原因です。
この2つは違う事が多く、最初に上司から言われた一言でうつになったが
うつになってから外に出られなくなってうつから良くならないという例などがあります。
この場合「上司の一言」が原因因子で「外に出られない」が維持因子です。
では今回の本題摂食障害ではどうなのでしょうか。
以前説明した「セルフコントロール」これは原因因子です。
今回の「情動の調節のために過食をする」は維持因子である事が多いです。
そのため実際に治療するときはこの維持因子から扱う事が必要です。
先ほどの例で行くと、最初に外に出れるように少しづつ練習して
その後で上司から言われた一言で再びうつにならないよう工夫していく事になります。
では、摂食障害と情動調節の関係についてです。

摂食障害で起こる「恥ずかしさ」

摂食障害のひとは強い情動を抱えている事が多いです。
この強い情動とは「恥ずかしさ」です。
この「恥ずかしさ」がどのように生じてくるか説明していきます。
摂食障害の人に多い傾向として完全主義という性格傾向があります。
これは注意深いという良い利点もありますが、摂食障害の時は問題を起こします。
状況で多いのは悪い対人関係です。
完全主義や悪い対人関係の結果、自己批判的になります。
自分はだめなやつだ、自分のせいだ、という気持ちです。
結果「恥ずかしさ」という感情がおこります。
これが摂食障害において生じる情動です。
この情動の原因は原因因子であるセルフコントロールへの情動も含まれています
また、子供のころは情動を処理する方法が発達していません。
そのため完全を求める事や、対人関係が上手く行かなかったときの情動のコントロールができません。
これらの問題は子供が情動の発散を身につける過程も邪魔します。
完全主義は発散より抑圧することを良い事としてしまいます。
対人関係が悪いと情動の発散を受け入れてはもらえません。
その結果、情動のコントロールが出来ない状況が続くほど
さらに情動のコントロールが苦手になってしまうという悪循環
がおきます。
まとめると完全主義や対人関係が「恥ずかしさ」という情動を作るとともに
この情動の処理を出来なくさせているということになります。

情動を調節できないための回避

「恥ずかしさ」などの情動が生じて始めに試みてしまう事は抑圧です。
自己批判自体が、自分の感情を自分の性にする抑圧であるとも言えます。
他にことにエネルギーを向ける「昇華」や
辛い状況を笑い飛ばす「ユーモア」があれば抑圧していても発散出来ますが
子供の時にこれらで発散する事はとても難しいです。
その結果、抑圧されたエネルギーはどんどんたまります。
これがたまりすぎるとうつ病などになってしまうことも多いのですが、
摂食障害は発散せずに逃げる「回避」の方法を探してしまったことから始まります。
それが過食であり、極端な減量です。
こうすればセルフコントロールの感覚は得られるし、周囲も気遣ってくれるようになります。
一石二鳥です。
しかし、この一石を投じて失われるものは自分の健康であるため
破滅の道に進んでいく事になります。

摂食障害の治療の目的

これは難しいです。
理由は今までに説明してきたようにお互いがお互いを支え合っているからです。
そのため、絶食だけやめさせようとすると、抑圧が増え、うつ病になったり、
対人関係だけ良くしようとすると、その過程で一時的に家族とぶつかった時に過食が増えたりします。
これを治療するためにはバランスを見ながら少しずつ改善させる必要があります。
①危険を起こしている行動を止める事
まずはここから始めなければなりません。
ある程度うつ病や対人関係が悪くなろうとも命の危険を最初に脱する必要があります。
②回避していた情動への暴露
危険行動が収まってきたら、情動に向き合う練習をします。
危険を脱せば、まだ過食などがあったとしてもこちらの段階と組み合わせて行く事になります。
そのような感情を持っている事を認め、受容する段階です。
③出来る事から増やしていく
完全に受容できる人間はいません。
受容もある程度できたら、外に出る、人と話すなど
気分を良くする行動を増やす事で改善をはかります。
その結果、もう一度①にもどり過食をさらに減らす事を考える事が出来ます。
このように危険行動→情動への暴露→出来る行動を増やす
このサイクルを少しずつ回していく事で改善していきます。

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