コンピュータがうつの原因になる?

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人の思考はコンピューターと似ている部分があります。
コンピュータが1と0の集まりで情報を作っていると同様に、人も有か無しかで多くの情報を判断します。
しかし、この情報の処理の仕方が、うつ病の原因の一つになります。

全か無か思考とは

全か無か思考とは物事をあるかなしかのどちらかだけで判断してしまう事です。
英語で言えば all-or-nothing
この考えも人の本能に根ざしています。
全か無かの法則というと、神経細胞に適応される法則になります。
弱い刺激が細胞に加わっている時は反応は起こさず、ある一定の値(閾値)を超えると反応し、それ以上の刺激でも一定の反応しか示さないという現象をさします。
コンピュータで言えば出力が0か1しかない事と同じ事になります。
コンピューターは0か1の出力しか出来ないので必然的ですが、神経細胞の場合は連続的な刺激を伝えられるのにあえて、0か1の出力にしています。
むしろ神経細胞の役割自体が、連続的な情報ではなく0か1かの情報で処理する事であるとも言えます。
単細胞生物などは全か無かの能力を持っていないため、嫌な環境にあれば、ゆっくりそこから逃げます。
そして刺激の強さに逃げる早さが比例します。
一方動物の場合ですが、全か無かの能力を持っていれば、総合的に刺激を判断して、最終的な結論を逃げるか、留まるかで出せるようになります。
動物の場合であれば、大丈夫であれば留まって草を食べる、危ないと思えば逃げることが必要です。
単細胞生物のように危険の度合いに応じて、逃げる早さが決まっていれば、落ち着いて草も食べれませんし、本当に逃げなければならない状況の時には疲れてしまいます。
全か無かの法則は、行動を判断する時には必要な能力となります。

全か無かの法則がうつ病をおこすメカニズム

人は全か無かの法則を使えて素早く行動できます、めでたしめでたし。
とはなりません。
全か無かの法則が、うつ病の原因になる理由は2つあります。
一つは人が社会生活を営んでいるからです。
社会生活では、逆に単細胞の反応が必要になる事が多いです。
仕事が辛くて、我慢して我慢して、閾値をこえたらすぐやめるよりは仕事の辛さに応じて少しずつ逃げる事が必要になります。
全か無かの思考をしてしまうと閾値に達するまで我慢するため、うつ病になりやすいです。
もっとも、これは最近増えてきたいわゆる「新型うつ病」には当てはまらないみたいですが。
もう1つは人が思考するため、閾値以下の小さな刺激でも、何度も考える事で刺激を増幅させて、最後には閾値を越えてしまうことです。
さらにレッテル張りも影響する事でうつ病の思考パターンが出来上がります。
例えばこんな感じです。
友人がメールを返すのが遅れていたとします。
色々な理由が考えられますがうつ病の人の多くは「レッテル張り」をしてしまいます。
「友人は自分を嫌っている。」その時点では小さな刺激です。
これを何度も考えてしまいます。
「そう言えば、前にもこの友人から嫌な事を言われた。そもそも自分は友達が少ないし、相手にされないんだ。」
この結果最初の小さな刺激が閾値を越えてしまい
「友人は自分を絶対嫌っている。」となってしまいます。


小さな推論が大きくなって最後にはその結論以外考えられなくなります。
その結果、さらに落ち込むと、よりネガティブな反応が出やすい脳の状態になります。
否定的な考えを見つけると、他の考えを考慮せず、「レッテル張り」をしてしまい、何度も考えることで、閾値を超えて「全か無か思考」によって「絶対そうだ。」と考えてしまう。
すべての事を否定的に考えてしまう、うつ病の時の思考パターンです。
この「全か無か思考」のパターンから脱する方法が認知的連続表です。
明日の記事で紹介いたします。

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