いじめのトラウマは複雑性PTSD
いじめでトラウマになる。
すなわち、いじめでPTSDがおこる。
単純そうではありますが、実は問題があります。
いじめがPTSDになる
【不安】障害の一つである【PTSD】の治療については以前説明しました。
もう一度のせておくと
①それがいつもフラッシュバックされる
②思い出しそうな刺激を避けたり、反応が鈍くなったりする
③過敏性が高まってイライラしやすい
が挙げられます。
一般的なPTSDとしては、1度の大きな事件が起こって
その事を何度も思い出す、というフラッシュバックが多いです。
事故の場面、レイプの場面などは一般的です。
メカニズムとしては
まず、強い恐怖が扁桃体という感情を記憶する脳の部位に貯められます。
通常は記憶を司る海馬などが記憶を徐々に処理をしていきます。
しかし、PTSDになるような強い恐怖だと、思い出せなくなってしまいます。
その結果、思い出す事で処理をしていた海馬が働けなくなります。
こうして強い恐怖がPTSDとして残ってしまう事になります。
1度のリンチであれば、PTSDの基準は満たしそうです。
1度に強い恐怖が残り、忘れられなくなります。
ではいじめの場合はどうか考えます。
いじめの場合は、一度に強い恐怖を感じる事もあるかもしれません。
しかし、それより多いのは何度も否定的な体験をしてしまう、という方ではないでしょうか。
もちろん、PTSDが起こらない訳ではありません。
事故や事件に匹敵する苦しみを与える事は、ニュースなどで報じられている通りです。
ただ、いじめは一度の強い恐怖が何度も思い出される、というPTSDに典型的な形をとりにくい事があります。
細かい診断の違いは重要ではありません。
しかし、PTSDといじめでは治療法が変わってきます。
いじめはPTSDではなくCPTSD?
いじめのPTSDは治療は一筋縄ではいきません
一般のPTSDであれば、暴露療法が基準となります。
特定の記憶を何度も思い出していく事で記憶の処理をうながします。
一つの記憶を時間をかけて、処理していくわけです。
いじめであれば、思い出す対象が一つとは限らない事が多いです。
そのため、処理しきるまで繰り返し思い出していてはきりがなくなります。
これらの理由からいじめを普通のPTSDとは区別して
複雑性PTSD、複雑は英語でcomplexなので、CPTSDと呼ばれる事もあります。
他にCPTSDが多い状況として虐待などが挙げられます。
いじめとの共通点は単純な恐怖に加え、関係性の中で作られていくものである点です。
一度きりのPTSDとはちがってCPTSDでは恐怖を与える対象と関係性を持ちます。
辛い事をされながらも関係性を保っていかなければならない
これはとても辛い体験です。
このような矛盾に人間は耐えられません。
そのため、自分自身に言い聞かせて矛盾を解決し始めてしまいます。
例としては
「自分が悪いからこうなってしまうんだ。」
「友達だし、自分と一緒にいてくれるし。」
などです。
自分に言い聞かせて行く事で矛盾を埋め合わせ、
現状を受け入れるという方法は辛い状況では必死で作り出す解決方法です。
しかし、これには副作用があります。
いじめや虐待が終わっても
自分に対して否定的な自分が残ってしまうということです。
そのため、恐怖の記憶を処理する事よりも、
今現時点で自分に否定的になってしまっているパターンに気づく事が重要になってきます。
自分のパターンに気づけば少しずつ変えていく事も出来るようになります。
いじめを例に挙げたCPTSDの説明でした。
初めまして。
兄が15歳の頃にリンチに合い、現在39歳ですが、ずっとPTSDで苦しんでいます。
働けないし、人間不信なので友人もいません。会話をするのは家族と病院の先生くらいです。。
私は東京に住んでいて、実家は高知で家族はみんな高知に住んでいます。
EMDRの治療ができるところもないし、どうしたら良くなるのかわかりません。。
病院には通っています。
PTSDの治療法について、何かアドバイスがあればお願いいたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
初めてまして伊藤さん
高知県に自然堂整体という整体があります
その整体の先生ならお兄さんのPTSDも治せます
ご返信ありがとうございます。
今頃気づき、申し訳ありません。
自然堂整体、調べてみました。
なぜ整体なのでしょう??
よろしければメールでご連絡いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いします。