宇宙から見た認知行動療法の歴史

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CBT(認知行動療法)は現在は薬が治療の中心であるため、それ以外に考え方で治すという方法が発展してきたように思われますが、少し違います。
以前は精神分析という心理療法が盛んで、むしろ薬物は対症療法にすぎず、薬で心の病気が治るはずはないと考えられていた時代がありました。
今回はどのように心理療法が移り変わってきたかについて簡単に説明します。
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精神分析が始まるまで

歴史の始めはどんな意味においても人は中心でした。
この世は宇宙の真ん中で動かず、神は自分の姿に似せて人を作った。
さらに人の中心には意識があり、自分の行動を調節している。
まず、打ち壊したのは地動説です。
地球は動き、中心は太陽かもしれないという天動説は当時迫害されるほど拒否されました。
次はダーウィンの進化論です。
せめてこの地球では特別な存在であると信じたかったはずです。
しかし、ダーウィンに人はさるが進化したものと言われてしまいます。
この時も迫害はされましたが、天動説ほどではありません。
最後に無意識の発見です。
最低でも自分の中心は今考えている意識だとは思いたかったんですが、それも違うという考えが出ました。
それが精神分析です。
フロイトは無意識を考えだし、意識は無意識の氷山の一角にすぎないという説を唱えました。
時代が変化した事もありますが、フロイトが迫害されたのはナチスからのみでした。

精神分析から薬物療法へ

こうして1900年頃から、精神分析が始まり、精神病の治療として使用し始められました。
この時代は、フロイト、ユングなどの天才的な人々が活躍した時代でもあります。
しかし、この時代は薬物療法はなかったわけです。
1950年ぐらいから薬物が精神科に使われるようになります。
心が薬物で治ることは最初は受け入れられていませんでした。
1950年は統計学も発展してきました。
理論的に効く、効かないと議論されていた時に、実際に使ってみて、効くか効かないかを決めるという方法が発展してきます。
統計学もあって、薬物療法は対症療法だけでなく、実際に治るという事が理解されてきました。

薬物療法から認知行動療法へ

その後は薬物療法が発展してきて、心の治療も薬物でという事になってきました。
この薬物とともに発展してきた統計学という方法を使って、心の治療を考え方で行う方法も作られます。
認知行動療法は1980年頃から始まります。
精神分析は統計学では効果が証明しにくかったです。
一方、認知行動療法は、統計学の考え方でも効くという事が証明されました。
ちょうどこの頃、薬物療法もどんな時でも効果があるというわけではない事がわかってしまいました。
認知行動療法は実際に効く、心にアプローチする治療として現在も発展してきています。
心理療法と薬物療法がお互いにはやったり廃れたりしていると言えばそれまでですが、お互いに良いところを取り入れて進化してきているように思われます。

認知行動療法からの発展

ここからは私の意見ですが、認知行動療法は単に薬物療法から心理療法への揺り戻しではなく、人が中心ではないと考えられてきた流れからの転換とも考えられる気がします。
大げさな考えです。
精神分析は無意識をターゲットにしましたが、認知行動療法では意識の方を中心に据えます。
ここは流れが変わっているのではないでしょうか。
無意識が人を動かしているのは否定は出来ません。
だからといって、実際に変化するのは無意識に働きかけた時ではなく、意識に働きかけた時であるようです。
これは実際に使ってみて統計学、つまり実験で検証されてきています。
人の中心ではないけれど、意図的に調節できる、つまり「自由」なのは無意識よりも意識であるかもしれません。


自由な意識があれば、中心でなくとも、無意識をコントロールできるかも。
自由な意識があれば、中心でなくとも、他の動物とは違った存在かも。
自由な意識があれば、中心でなくとも、ここから宇宙へ広がるかも。
おそらく、また、自信を無くす発見が出てくる可能性は高いですが、自信はまだ捨てなくても良いかもしれません。

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