認知行動療法ですべきでない事
認知行動療法ふくめ精神療法では何を言うかについて考えます
しかし、言わないことの方が難しいことがあります。
今回は言わないでおく努力をした方がいいものです。
認知行動療法に関わらず精神療法においてすぐに忘れてしまう大切なことがあります。
それはもしかしたら相手に「間違っていますというメッセージ」を送っているかもしれない。
と常に考えておくことです。
精神療法でやってしまいがちなこと
まずは、教えようと思ってしまうことです。
知識量はもちろんありますし、資格もあります。
そうするとどうしても教えようとしたくなります。
教えると「あなたは間違ってますメッセージ」を送ることがあります。
自分がわかっていることに相手が気がついていないとやきもきします。
耐えられず親切心で教えてしまうと、自信を持ってもらうチャンスを失うことになります。
さらにはその指摘が当たりすぎてる場合は否定されてしまうこともあります。
図星なことであれば認めたくないと思うのは人間誰しもです。
また、促しだけをしている時も同様です。
促しているつもりで、相手の意図に答えなければならない、と思わせてしまう。
という失敗があります。
ソクラテス式質問を多用していると、途中で自分で考えるのではなく、問題を解いている感じになります。
何と答えれば良いんだろう。どう答える必要があるのか。
こうなると、知らないうちに「それは間違ってます。他の答えは?」と言っていることになります。
どのような言葉が間違ってしまいますと伝わってしまうか
「どうして」「何で」など理由を聞く言葉
これは有名です。
「どうしてそんなことしたの。」と怒る親は多いです。
理由を聞くことには非難のニュアンスが加わってしまうので使わない方が得策です。
現実の問題を飛ばして適応的思考にいってしまうこと
適応的思考を考えることは大切です。
しかし、これも共感の言葉なく言ってしまえば現実の問題について悩むことを間違っているというニュアンスを与えてしまいます。
まず「あなたはそう思っているんですね。」と受け止めたあとで
「他の考え方はないですか。」となる必要があります。
アドバイスをしているつもりでも中々受け入れてもらえない時はここで行き詰まっていることもあります。
最後に油断しないこと
ここまで我慢して工夫してなんとか適応的な思考を言ってもらえたとします。
こちらはとてもうれしくなります。
「自分で気づけたことはすばらしいですね。」
この言葉はすぐ出てくるでしょう。
つられて
「認知行動療法でもそのような考え方があります・・・・。」
と言ってしまいがちです。すると、
「何だ。自分の気づいたことはたいしたことないのか。」と思ってしまう
こうなるととせっかく気づいてもらったこと効果も半減してしまいます。
最後まで油断しないことです。