うつ病の発症メカニズム解明!は本当?

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「うつ病の原因」と聞くとそれが治ればすべてが解決すると考えたくなります。
しかし、「何か一つが良くなりさえすればスッキリ治るはず」という考え方はうつ病の時は負担になります。
科学的に正しく、心にも良いけど煮え切らない脆弱性という考えについてです。

脆弱性

脆弱性とは病気のなりやすさです。
一般的に認知行動療法は維持因子という現在症状を長引かせている因子に着目することが多いです。
しかし、「脆弱性」も病気を理解するためには必要です。
脆弱性はうつ病、不安障害、パニック障害で共通するところが多いと言われています。
体力が落ちて人によっては風邪をひいたり、お腹を壊したり、イライラしたりします。
同様に脆弱性があってどのような症状の出方をするのかは人それぞれとも考えられています。
脆弱性には3種類あります。
生理的脆弱性と心理的脆弱性そして特定の生理的脆弱性です。
前者二つは発達段階の脆弱性で最後の一つは思春期以降に加わる脆弱性です。
それぞれについて順に説明して行きます。

生理的脆弱性と心理的脆弱性

生理的脆弱性で一番大きなものは遺伝要因です。
遺伝と聞くと究極の原因のような感じがします。
うつ病の遺伝要因というとうつ病を起こす原因と考えたくなります。
しかし、その要因があってもうつにならない人もいれば、なくてもうつになる人がいることが多いです。
遺伝もストレスなどと同様発症の脆弱因子の一つです。
心理的要因は人生早期の経験です。
こちらもうつの原因は子供の頃の育て方にあった。
など言われると本当のように感じます。
これも遺伝子と同様、ケースバイケースです。
ひどい育て方でうつにならない人もいれば、しっかり育ててもうつになるひともいます。
大切なのは何が原因かではなく、どれもが決定的ではなく、脆弱因子として溜まって行くということです。

特定の心理的脆弱性

最後の一つはもう少し、後半の要因です。
特定の心理的脆弱性とは具体的には不安に対するものを指します。
不安に対するその人固有の学習経験です。
本当は危険ではないものを、回避をすることによって、不安を生じさせるものとなってしまいます。
前者二つに比べると認知行動療法で扱いやすいものになります。
逆に戻る。すなわち回避をやめることなどによってもう一度危険でないと判断されれば治るようになります。
以上見てきたように、原因という一つのものがあると考えるよりは、
脆弱性と呼ばれる多くの要素があると考えた方が見方は多面的になります。
そしてこの多面的に見ることは認知行動療法する時にも役立つ力になります。

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