うつ病の時にしてしまう3つの考え方
Beckという認知行動療法の創始者はうつ病のときに陥りやすい考え方について書いています。
それによると、自分自身、世界、将来に対する3つの否定的な見方がうつ病に特徴的であるとのことです。
これを否定的認知の3要素と言います。
これらそれぞれについて説明していきます。
自分自身に対する否定
まずは自分自身に否定的な考え方が多くなります。
「自分なんてダメな奴だ、役立たずだ。」など自分を責める考え方が多くなります。
これが事実かどうかということは関係ないのですが、人間は思っていると行動にでてしまいます。
そのため、自分のことをダメという気持ちから、行動もダメになってしまい
ほら、やっぱり自分はダメなんだとさらに信念を深める結果になります。
世の中に対する否定
自分のことだけでなく、周囲の世界に対しても被害妄想的になります。
この周囲の世界というのは自分の過去に対する否定的な感情も入ります。
「自分のことをだれも気にかけてくれていない、失敗ばかりだった」
人間関係の仕組みとして自分が誰かが気にすれば誰かに気にかけてもらえます。
うつ病のときに誰も気にかけてくれないと思うことで引きこもってしまえば、
その結果本当に誰にも気にかけてもらえなくなります。
これも悪循環を形成しています。
将来についての否定
うつ病のときは将来について絶望的になります。
「これからも上手く行くことはない、将来は絶望的だ」
これも同じです。
将来が絶望的だと思って何もしないでいることほど将来を絶望的にさせるものはないと言っても良いでしょう。
将来についても否定の悪循環を来します。
悪循環から抜け出すためには
ではどうしたらこの悪循環から抜け出すことが出来るのか。
戦いの基本は「己を知り、敵を知ること」です。
ここで言う己とは自分が否定的に考えていると気づくことであり
敵とはうつ病の否定的認知の3要素です。
この3要素は風邪の時に出る「せき」のようなものです。
自分が否定的に考えていることに気付き、3要素を知れば
「これはうつ病になって『せき』が出ているようなものだ。少ししたら収まるだろう」
と考える余裕も出てくるかもしれません。
そうすることでやり過ごし、たとえ「せき」がでても悪循環にならずにすみます。
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