「紙に夢をかく」と「うつ」の関係

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夢を紙に書くと実現するとはよくいわれる言葉です。
しかし、思いが強ければ、成功するという考え方は、うつ病の時にはマイナスに働きます。
自分がこんなにダメだと考えるんだから、ダメに違いないと。

夢を紙に書くことの効用

「その科学が成功を決める」という本があります。
これは自己啓発に多い文言を実際に検証した本です。
その本では成功を思い描く事で実際に成功するかという実験があります。
結果は、人に話して小さな目標を積み上げた人は成功する確率があがりました。
しかし、成功した姿を強く思い描いたり、成功者の写真を貼ることは無意味だったという結果でした。
考えてみれば当然の事ですが、成功するのに必要な事は思い描く事ではなく、目標を立てて継続する事です。
成功を思い描く事が、実行に結びつくならば効果があるということです。
ではなぜ成功を思い描くと成功するという考えのほうが強調されてきたか。
人にとって、強い気持ちが事実であるという思考パターンが存在するようです。
行動を起こさせるというためには本能のレベルで、気持ちと事実を混同しておく事は有意義に働きます。
動物が危ないという気持ちはすぐ逃げなければならない事実と結びつく必要があります。
しかし、うつ病のときは気持ちと事実を混同してしまう事で、悪循環となってしまいます。

感情的理由づけ

自分がこれほど強くダメだと思うのだから、事実ダメに違いない。
強い気持ちを事実と思ってしまう事を「感情的理由付づけ」といいます。
うつ病の時の感情的理由づけが悪循環となる仕組みを説明します。
うつ病の時の否定の感情はすごく強いです。
うつ病の時には死にたくなることをわかっている精神科医でもうつ病のときは死にたくなるとの事です。
また、統合失調症などで多い幻覚では幽霊が見えた気がするというレベルではなく、実際に目の前にコップがあるというレベルで幻覚が見えるそうです。
これらの例からも解るように、うつ病の時の感情は普段の感情に比べより鮮明である、と考えられます。
この鮮明さと、人がもともと持っている強い気持ちと事実を混同してしまう特徴が悪循環となります。
うつ病で自分はダメだと思う気持ちが鮮明になってくると、それを事実としてとらえてしまい、自分がダメだと言う事実を感じてさらに抑うつ的になります。
必要な事はうつ病の時は鮮明に否定的な思考が生じる事を理解する事と、しっかり事実を見極めて判断する思考をする事です。
まずは、ダメだという気持ちに流されるのではなく、これはうつ病の症状だと思います。
「外在化」ともいいますが、症状ととらえる事で客観的になります。
次に5コラム法や認知再構成を使って自分の考えを検証します。
普段は自動的にやってしまっている過程を客観的に眺める事です。
否定的な気持ちが生じたら外在化して、5コラム表で検証する。
これを繰り返す事で、悪循環を抜け出し、徐々にバランスのとれた思考に戻っていく事が出来ます

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