対人恐怖症と社交恐怖(社会不安障害)の違いとは

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対人恐怖症、近いのは【社交不安障害】でしょう。

【不安】障害の一つです。

 

 

日本の文化と対人恐怖

 

対人恐怖とはもともとは日本の文化特有の疾患と考えられていました。

その後研究が進み、

どんな人種であっても他人と接するのに支障を来す人もいるという事で

社交不安障害と名付けられました。

しかし、対人恐怖と社会不安障害では少し違うところがあります。

 

文化結合症候群とは

 

日本特有の疾患であった対人恐怖は一応

DSMの中で文化結合症候群に含まれています。

 

文化結合症候群とはDSMという精神科で標準的な診断基準の項目の一つです。

文化ごとの特有の疾患について述べてあります。

例としては、

マレーシアなどで報告された「アモク」が挙げられます。

この病気は突然に衝動的に暴力や時には殺人を起こしてしまう病気です。

 

この項目にいわば日本代表としてのせられている病気が

対人恐怖です。

 

対人恐怖とは

 

対人恐怖とはただ、人と接するのが怖いだけではありません。

DSMの記載によると

その人自身の外見、匂い、表情、しぐさが

他の人を不快に思わせているのではないかという恐怖です。

 

日本人に多い性格傾向とも言える

自分は他人に迷惑をかけているのではないか

という性格の傾向が生活に支障を来すまでになった疾患です。

 

社交不安障害と対人恐怖

 

以前にも社交不安障害については説明しましたが

簡単に説明すると

①他人の注目を浴びる恐怖

②①の時はほとんどいつも恐怖が出る

③①の状況を避けていて、日常生活に支障をきたしている。

を満たせば社交不安障害になるということになります。

 

対人恐怖と社交恐怖の違い

 

では対人恐怖と社交恐怖は何が違うのでしょうか。

もう一度診断基準を見てみると

対人恐怖のほうは

他の人を不快にさせているのではないか、という気持ちであり

社交恐怖の方は

恥ずかしい思いをするかもしれない状況に対する恐怖、です。

 

また、社交恐怖の方にある記載として

自己の否定的な評価を恐れるとあり、

試験を受ける事を恐れているとの記載があります。

 

この違いから考えると

対人恐怖は他人からの評価が下がる恐怖

社交恐怖は自分の評価が下がる恐怖としての違いかもしれません。

 

しかし、最近では日本でも社交恐怖を満たす人が多くなってきた事を考えると、

実際に恐怖の対象が変わってきたのではなく、

昔の日本が自分の評価自体が他者からの評価を通してしか捉えられなかった

という可能性も考える必要があると思います。

 

治療方法の違い

 

治療法は【認知行動療法】の中でも

暴露療法である点は同じです。

暴露療法の特に大事な事は

何が恐怖の対象をはっきりとさせてから暴露をする

ということです。

 

その点で対人恐怖と社交恐怖では暴露の方法少し変わります。

具体的に言えば

対人恐怖の場合は誰かに迷惑をかける暴露

社交恐怖の場合は自己評価が下がる暴露をすれば良いです。

 

しかし、この違いもその他の不安障害の中での

個人差の中に存在する程度かも知れません。

 

精神科の病気は中核の症状が同じであっても

文化によって、個人によって表現の方法が違います。

そこもとても興味深いところだともいます。

 

 

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